特集

MEMBER’s COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

WPIの事例は、10兆円ファンドの支援対象となる政府の「世界と伍する研究大学」の議論の場でも紹介された。ただこの時には 「そうか、WPI型のプロジェクトを複数、設計すれば、10兆円ファンドで選ばれるのだな」と勘違いしないように、と釘がさされた。研究者は自身の専門を生かした個別の研究プロジェクトで考えがちだが、それでは困る、と。世界と伍する研究大学は全学のガバナンス改革が重要なので、その視点からWPI型の研究活動を参考にしてほしい、とある委員が強調したことを伝えたい。

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

山梨の両大学の組み合わせは、連携開設科目を中心に多くの地方大学が注目している。「山梨学」「ワインと宝石(鉱物の伝統産業がある)」といった科目の人気は、なるほどと感じる。ただ「新たに獲得した履修者数」という効果に絞ると、残念ながらさほど高くない。多い科目でも主幹大学(もともと科目を用意していた大学)の履修生数に対し、相手大学からの履修生数は1割ほど。ゼロの科目も少なくない。初年度やコロナ下というのも影響しているだろう。ただこの連携開設科目を中心に両大学が議論を進める中から、共同研究や、相互の学生指導など広がりが出てきており、連携の全体の効果はなかなかのものだと思う。これについては引き続き、記事にするので乞うご期待。

小寺貴之
編集局科学技術部
記者

データ駆動とシミュレーション駆動の開発の奔流の中でハブになるためにはどんな研究競争力を持っておくべきか。データベースなのか、評価技術なのか、AIツールなのか。日本のハブでなく世界のハブになるにはどうしたらいいのか。国内企業や国内研究機関で戦略を練って、海外からリソースを集める施策が必要です。でないと大国の産業振興の札束でのたたき合い巻き込まれて、先端工場や人材を高値づかみして、拠出した金額を誇る状況になりかねません。国の次の10年プロジェクトでは研究中核拠点を四つ整備します。現在選定中ですが、研究成果を出すのは当然になってしまうので、10年かけて、どんなハブに育てるのか問われると思います。

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

九大は前回の申請時は、「部局別に出てきた計画を綴じただけ」といった、総合大学にありがちな散漫な計画書だったと伝え聞く。その時に筑波大学や東京医科歯科大学に破れた(両大学は指定を勝ち取った)ことから、旧帝大としての意地からも「2度、落ちるわけにはいかない」という緊張感だったに違いない。「指定国立大はこれで一区切り、しばらくは次の指定の申請の機会もない」(文科省・国立大学法人支援課)。この制度は申請のハードル(足切りの条件)があるためで、それを満たす大学が今のところこれきりだからだ。ちなみに九大は同制度の開始時には、条件が満たせず申請もできなかった。今後はこの中から、世界と伍する研究大学(仮称・特定研究大学)にどこが選ばれるかが、注目となるだろう。

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