トヨタ「シエナ」ベース車両が自動運転走行…NTT、実証拠点を新設した狙い
NTTはNTT中央研修センタ(東京都調布市)内に自動運転の実証拠点を新設した。同社が出資する米メイ・モビリティー(ミシガン州)が持つ独自の人工知能(AI)を用いた自動運転システムと、NTTが持つ第5世代通信(5G)をエリア限定で使うローカル5Gを活用する。自動運転のノウハウを蓄積するほか、交通事業者や自治体など向けに試乗の場を提供する。
このほど開いた報道陣向けの見学会では、トヨタ自動車のミニバン「シエナ」を基に開発したメイ・モビリティー製の車両が、NTT中央研修センタ構内の往復1キロメートル弱の試乗ルートを時速約10キロメートルで走行した。
事前に高性能センサー「LiDAR(ライダー)」で取得した点群データを基に、走行ルートの地図を作成。走行中の自動運転車両に搭載したライダーの点群データと比較することで障害物などを検知し、自動で一時停止する。6台の車載カメラで撮影した映像をNTT中央研修センタ内の遠隔監視室に送信し、有人による安全確認を行う。
携帯通信用の5Gを用い、2024年度中にも同センタ周辺の公道を用いた実証を行う計画もある。
11月には愛知県が名古屋市中心部で、NTTドコモやメイ・モビリティーの技術を用いた自動運転車両の実証を始めた。NTTの技術展示を目的にNTT中央研修センタを訪れる企業や自治体関係者にも自動運転を体験してもらい、ソリューション開発に役立てる。
日刊工業新聞 2024年11月18日