自動車部品メーカーが避けられぬ「3つの課題」、経営トップ35人の発言から読み解く

虎視 勝ち筋探る車部品 ダイジェスト

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日刊工業新聞では、1月27―3月17日にかけて自動車部品メーカートップを対象としたインタビュー連載「虎視 勝ち筋探る車部品」(以下、本連載)を掲載した。全35社のトップの発言を分析すると「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)」「電動化」、コロナ禍や半導体不足などの「事業リスク」関する話題が目立った。各社トップはこれら三つの課題をどう認識し、どう手を打つのか。発言を取り上げながら振り返る。

■「虎子」登場企業 全35社(五十音順)
 ※リンクをクリックすると各企業トップのインタビューが読めます
【aーz】IJTTJVCケンウッドTBK
【あ行】愛三工業アイシン愛知製鋼曙ブレーキエイチワンエフテック
【か行】河西工業小糸製作所
【さ行】ジェイテクト新電元工業住友理工
【た行】ダイキョーニシカワ大同メタル工業大豊工業テイ・エステック東海理化東京ラヂエーター製造トピー工業豊田合成トヨタ紡織
【な行】西川ゴム工業ニッパツ日本ガイシ日本特殊陶業
【は行】パイオニアパイオラックスファインシンター藤倉コンポジットフタバ産業
【ま行】武蔵精密工業
【や行】八千代工業ヨロズ

カーボンニュートラル/排出量の多寡 焦点

部品メーカーが、事業活動においてカーボンニュートラルを目指す動きが顕著になった。トヨタ自動車が主要サプライヤーに二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標を示すなど、完成車メーカーからの要求も強まる。「この製品は何グラムのCO2を排出しているか、という〝値札〟が付くようになるだろう」とは武蔵精密工業の大塚浩史社長。CO2排出量の多寡が、部品の競争力に直結する将来を予想した。

具体的な取り組みとしては、太陽光発電など再生可能エネルギーの利活用に力を入れるとの声が目立った。リサイクル材の活用拡大やCO2固定化など新技術の開発に意欲を示すトップもいた。

一方、「活動は加速しなければならないが、コスト高になってもいけない」(大豊工業の杉原功一社長)、「熱源を大量に使う鋳造・鍛造事業があり最難関」(IJTTの伊藤一彦社長)と難しさを語る声も多かった。

電動化/社外連携強化に意欲

ホンダが2040年の脱ガソリンを宣言するなど完成車メーカーが電動化を加速しており、部品メーカーにとっても、その対応が重要な経営課題になった。大同メタル工業の判治誠吾会長兼最高経営責任者(CEO)は「電気自動車(EV)化の加速でエンジン用軸受需要が減っていく中、大きく転換せねばならない」と危機感を示した。

各社は電動駆動モジュール「eアクスル」など電動化部品の開発、既存部品の軽量化や省力化、高性能化を図る。「EV化に合わせて摺動装置の部品などを自動車メーカーと共同開発している」(藤倉コンポジットの森田健司社長)など、社外との連携強化にも意欲的だ。

一方で「世の中の論調はEV一本化が多いが、もっと冷静にならなくてはいけない。電動化は進むが、地域別にみると需要はEVだけではない」(愛三工業の野村得之社長)といったように、需要を慎重に見極める姿勢も見られた。

事業リスク/原材料高騰・生産調整に苦慮

多くの部品メーカーが半導体・部品不足や、完成車メーカーの生産調整への対応に苦慮している。河西工業の渡辺邦幸社長は「生産状況に合わせた人員や調達体制への変更を含め、今後の対応について一部の車メーカーと話し合いを始めた」と明かした。小糸製作所の加藤充明社長は「間接人員を現場に配置したり、工場間で従業員を融通したりということを必死になってやっている」と語った。

パイオラックスの島津幸彦社長は自動車生産について「上向くと思うが、(半導体不足)問題前の水準には戻らない」と22年度を見通す。原材料価格や輸送費の高騰への懸念も強く「今後は顧客の理解も得ながら、商品への価格転嫁もやむを得ないと考える」(TBKの岸高明社長)、「高騰した分は、自動車メーカーにより早く値上げを受け入れてほしい」(住友理工の清水和志社長)との声も挙がる。

ウクライナ情勢の緊迫化もあり、警戒レベルを上げてリスクに備える状況が続きそうだ。

【トップ語った頻出単語】具体的テーマに挑む

本連載35回の記事全てに形態素解析を実施し、特定の単語の登場頻度を調査した。また21年1―3月に掲載した同様のインタビュー連載「激流 転換期の車産業」(以下、前回連載)全47社分も同様に調査し、単語の登場回数を比べた。

本連載では「カーボンニュートラル」や「半導体」といった単語の登場頻度が急増した。一方、新型コロナウイルス感染症に関する単語は減少した。コロナ禍が常態化する中、漠然とした不安ではなく、具体的な課題に目を向ける部品メーカートップの姿が浮かぶ。

本連載では電動化に関する単語も多く登場した。「EV」などは前回連載でも登場頻度が高かったが、さらに回数が増えた。自動車業界の新潮流「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」の中でも、電動化に対する注目度が突出した格好だ。

■「虎子」登場企業 全35社(五十音順)
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【aーz】IJTTJVCケンウッドTBK
【あ行】愛三工業アイシン愛知製鋼曙ブレーキエイチワンエフテック
【か行】河西工業小糸製作所
【さ行】ジェイテクト新電元工業住友理工
【た行】ダイキョーニシカワ大同メタル工業大豊工業テイ・エステック東海理化東京ラヂエーター製造トピー工業豊田合成トヨタ紡織
【な行】西川ゴム工業ニッパツ日本ガイシ日本特殊陶業
【は行】パイオニアパイオラックスファインシンター藤倉コンポジットフタバ産業
【ま行】武蔵精密工業
【や行】八千代工業ヨロズ

日刊工業新聞2022年3月29日

特集記事

自動車部品メーカーが避けられぬ「3つの課題」、経営トップ35人の発言から読み解く (2022年04月01日公開)

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