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IJTT社長・ 伊藤 一彦氏/eアクスル用途別対応

虎子・勝ち筋探る車部品#14

―足元では部品供給不足が商用車の生産の足かせです。
 「(不足解消後の)商用車メーカーの挽回生産に備えて、当社も準備している。各工場の要員も補強し、フル稼働できる体制だ。今は部品の要求量が低いので、工場間で人員を融通したりしている。ただ2022年度の需要は挽回分も含めた増産傾向が見て取れる」

―22年度から始まる3カ年の新中期経営計画を策定中です。
 「“普通”の中計ではない。今、これだけ経済環境が変わってる。向こう5―10年先の変化をおさえた3年間の計画だ」

―骨子は。
 「車の電動化やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への対応と成長への取り組みだ。電動化分野では開発してきた商用車向け駆動装置『eアクスル』が挙げられる。同装置の受注も獲得し、22年度から立ち上げる。商用車向けは、用途に合わせた細かな対応が必要だ。商用車の部品を手がけてきた知見を生かして差別化する」

―カーボンニュートラルについては。
 「新中計で目標などロードマップを定める。当社は熱源を大量に使う鋳造・鍛造事業があり最難関だ。全社の課題として取り組むために専門の『サステナビリティ推進会議』を社内に立ち上げた。検討すべき事項は手のひらには乗っている。新しい生産技術の動向も睨みながら新中計、さらに次の中計にもまたがって対応していく」

【記者の目/モーター内製化 視野に】
 eアクスルは電気自動車(EV)の中核部品になるとみられ乗用車向けのみならず、商用車向けでも競争激化が必至。IJTTはeアクスルの構成部品の一つであるモーターの内製化を視野に入れるなど準備を進める。用途に合わせた細かな対応と、価格競争力という二律背反をどう解決するかが、勝負のポイントの一つとなる。(日下宗大)

日刊工業新聞2022年2月25日

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