特集

MEMBER’s COMMENT

小寺貴之
編集局科学技術部
記者

研究者は同じ研究を続けたがるという前提をおくと、技術を実用化する企業が見つかっても次のアクションは応用寄りの共同研究になると思います。すると、成果評価の価値ベースへの転換が叶ったとしても、共同研究の予算をコストベースで計算するので、実態は変わりません。特許収入などで投資を回収するとしても、企業に移転して事業として成功してからでは投資から回収までに時間がかかりすぎます。これでは研究機関の経営の時間軸と合いません。研究機関の理事長は数年で交代します。せっかくトップセールスをかけても売却するタイミングで、そのトップがいないことになってしまいます。企業の研究所も似たような問題を抱えてました。研究テーマの新陳代謝や研究組織の経営に反映するには、早めの売却で現金化する道も必要になります。売却可能な技術と組織のパッケージにしておくことも必要だと思います。

小林健人
デジタルメディア局DX編集部
記者

SDGsの文脈からも資源循環は重要かと思います。生産コストを低減する手段としても面白い取り組みです。ただ、今後は事業者規模をいかに増やせるかが、「販売」の側面においては重要です。生産者と消費者の選択肢に入れるか注目したいです。

志田義寧
北陸大
准教授兼経済ジャーナリスト

今会合は概ね市場予想通りの結果となったが、前打ち報道を受けて一部に浮上していた利上げに関する思惑は明確に否定された。ただ、当該記事をよく読むと、オーバーシュート型コミットメントの立て付けに関する説明や将来の利上げに備えた頭の体操など、当たり前のことを書いているに過ぎず、これでよくマーケットは反応したなと驚く。それだけ神経質になっていたということだろう。日銀担当記者の役割の一つに金融政策の「次の一手」を探ることがある。そのため年間8回ある金融政策決定会合の直前には会合の見通し記事が相次ぐ。これがマーケットに織り込まれ、会合の当日を迎える。つまり、金融政策をめぐる報道はマーケットメカニズムに組み込まれていると言っていい。今回の記事も直前の取材を踏まえたものと推測されるが、内容はあくまで中長距離砲だ。それが会合直前に出てきたから、マーケットが過剰に反応した。黒田総裁は利上げ議論を否定したが、仮に頭の体操すらしていないのであれば政策当局として失格だ。現在は利上げをするような状況ではない。しかし、将来の議論すら封印する現在の姿は、とても健全とは言えない。

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

研究と財務の相乗効果による中長期的な強化は、政府の「世界に伍する研究大学」制度の議論の柱だ。東大は20年10月に中長期計画で、相乗効果のプランを発表。早大はこれをにらみつつ、当時から「大隈重信没後100年の会見で」といっていた。まだ他大学の動きが出ていないことから、2番手に飛び出した感がある。新制度の公募に対しても会見で、田中総長は「挑戦する」と明言した。

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