ENEOSと三菱商事がタッグ。「持続可能な航空燃料」事業化へ
ENEOSと三菱商事は18日、国内で持続可能な航空燃料(SAF)の事業化に向けた共同検討を行うと発表した。ENEOSの技術と三菱商事の原料調達の知見などを生かし早期事業化を目指す。具体的にはバイオ原料の開発や新技術によるSAF製造、サプライチェーン(供給網)の構築を行う。
ENEOSは先ごろ野村事務所(東京都港区)と共同で、SAFの原料となる廃食油を安定的に調達する仕組みの構築で合意。また、仏トタル・エナジーズとは、ENEOS根岸製油所(横浜市磯子区)でトッパーを廃止した後の設備を使い、廃食油を原料とするSAFを年間30万トン規模で製造する検討で合意するなど、SAFに注力している。
欧米の航空業界でSAF導入が進む中、日本は2030年までに国際線のジェット燃料の1割をSAFに置き換える目標を掲げる。ユーグレナのバイオ燃料や、東芝や出光興産、全日空など6社による、炭素や水素の合成技術をベースとした実証も進む。3月には航空、プラント、エネルギーなどの16社がSAFの国産化を目指す団体「ACT FOR SKY」を設立した。
日刊工業新聞2022年4月19日