産総研、海底堆積物から「メタン生成菌」培養に成功
産業技術総合研究所地質調査総合センターの片山泰樹主任研究員らは、メタンハイドレート(MH)を埋蔵する東部南海トラフの海底堆積物から、計10株の生きたメタン生成微生物「メタン生成菌」を培養することに成功した。深度によるメタン生成活性の違いを計測。メタン生成における堆積物の中の温度の重要性を培養実験により証明した。MHの成因解明とその資源量の評価に貢献すると期待される。得られたメタン生成菌のうちのいくつかは、現場の深海底堆積物の環境で優占して生息するメタン生成菌種だった。この優占株の温度特性を調べた結果、菌が得られた堆積物試料の原位置の温度帯4度―15度Cでメタンを生成できた。45度C以上になると生成速度の急激な減少が見られた。
さらに海底堆積物において、メタノールからメタンが生成する経路も重要であることが分かった。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、量子科学技術研究開発機構との共同研究。
日刊工業新聞2022年2月10日