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今日は「紅茶の日」、最近は日本産もじわり

緑茶の消費が頭打ち、静岡や九州などで
 1日は「紅茶の日」。日本紅茶協会(東京都港区)が1983年に定めた。海難事故でロシア帝国に漂着した江戸時代後期の船頭、大黒屋光太夫が女帝エカテリーナ2世に謁見(えっけん)して茶会に招かれ、日本人で初めて欧風紅茶を飲んだ日にちなむ。

 茶葉は古くから時の権力者が薬用にした。17世紀ごろ中央アジアから欧州に運ばれ、発酵した紅茶が貴族社会に広まった。東インド会社が貿易を独占し、やがて大英帝国繁栄の礎となった。

 日本でも明治以降に生産が始まったが、現在はほぼ輸入品。年間輸入量は1万5000トン前後と横ばいが続くが、最近は変化が見える。緑茶の消費が頭打ちになるなか、静岡や九州などの生産者が一部を紅茶に切り替えているという。

 生産量がわずかなため統計はないが、同協会によると、数年前まで年120トン程度だった紅茶向けの葉が、同300トン近くに拡大しているという。輸入と比べて伸び率は目立つ。

 理由の一つが、ハーブやフルーツのブレンド、カフェインレスといった多様化である。工夫の余地が大きく、リラックス効果も高いため、現代人に癒やしを与えている。たまにはアルコールの代わりに香り高い紅茶で、穏やかに一日を終えてみてはいかが?

日刊工業新聞2017年11月1日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
国内生産しているのは知らなかった。農家の高齢化によって茶園の減少に歯止めがかからないと聞く。紅茶も産業として根付くにはハードルが高そう。