「アナログ半導体」小型化…日清紡マイクロとOKI、26年量産へ
日清紡マイクロデバイス(東京都中央区、吉岡圭一社長)とOKIは17日、小型の3次元(3D)アナログ半導体を開発したと発表した(写真)。両社の連携により、集積回路(IC)を積層した従来品と比べ高さを約3分の1の110マイクロメートル程度(マイクロは100万分の1)に抑えられる。さらに既存の設備や製造技術を用いて半導体を製造する「レガシープロセス」を使えるため、数百億円規模かかるという設備投資が要らない。2026年の量産を目指す。日清紡マイクロデバイスが販売する計画。
積層したIC間の一部分に金属の薄膜を配置する日清紡マイクロデバイスの技術や、ウエハー表面に形成した薄いICの層を剥がして異なるウエハーに接着剤を使わずに貼り付けるOKIの技術を用いた。両技術によって、IC間で発生するノイズを抑制したり、小型化したりできる。
日清紡マイクロデバイスの吉岡社長は今回の成果を「さまざまなデバイスを組み合わせる『ヘテロジニアス集積』という分野に大きく貢献できる」と強調。アナログ半導体は音声や映像などを処理する部品。例えば自動車業界ではセンサーの搭載個数が増えており、センサーの信号処理を担うアナログ半導体の需要も高まっている。
日清紡マイクロデバイスは35年にアナログ半導体を用いたモジュール分野で売上高300億円を目指しており、今回開発した3Dアナログ半導体により目標達成に弾みをつけたい考え。
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日刊工業新聞 2024年10月18日