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トイレなどの天井に塗るだけ。半永久的ににおい抑制する塗料

戸田建設など、消臭塗料を開発。外販へ
 戸田建設は8月下旬から、雪の聖母会聖マリア病院(福岡県久留米市)など4者で開発した消臭塗料を、塗装会社を通じて外販する。外販によるコスト低減効果と社会的な需要があると判断した。消臭塗料はトイレや医療現場で使う薬剤などに消臭効果があり、半永久的ににおいを抑えられる。医療施設や福祉施設、多くの人が集まる施設などでの利用を見込む。

 戸田建設は消臭塗料「オドキャッチャー」を、聖マリア病院、福岡県すこやか健康事業団(福岡市中央区)、グリーンドゥ(東京都港区、松浦照男社長、03・5419・1351)と共同で開発。これまでに聖マリア病院地域医療支援棟や自社の筑波技術研究所(茨城県つくば市)など7件の適用実績がある。

 オドキャッチャーは多孔質のゼオライトと、光触媒として機能する二酸化チタンに銅や銀などを配合した金属触媒、水性の無機系塗料で構成。におい物質をゼオライトが吸着し、金属触媒が分解する。

 半永久的に効果を持続でき、3年間以上使用した試験体の実験でも、消臭機能があることを確認した。

 販売は塗装会社のイバト(茨城県筑西市、根岸千寛社長、0296・22・5221)が手がける。価格は税別で、ベース塗料とゼオライトのセット、12キログラムが10万9500円、6キログラムが5万7800円。塗料の施工面積では1平方メートル当たり約3700円程度。

 建物の天井面にローラーなどを使って塗る。戸田建設は病院などの施工案件ではオドキャッチャーを使用していく考え。
    
日刊工業新聞2017年8月9日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
ぜひすべての公衆トイレの天井に塗ってほしいです。

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