第一交通創業者会長が100歳を機に退任。後輩に送ったエール
第一交通産業の黒土始創業者会長は、100歳を迎えたのを機に6月下旬に相談役に退く。北九州市小倉北区の本社で6日に行った退任会見では「企業理念の『人の生活を大切にする』は創業以来いつの時代も変わらない。お客さま、地域社会へ感謝の気持ちを忘れず経営にまい進してもらいたい」と後輩たちにエールを送った。
黒土氏は大分高等商業学校(現大分大学)を徴兵のため中退。1960年(昭35)第一タクシー(現第一交通産業)を創業し、タクシー保有台数約8000台を誇る国内最大手に育てた。これまで10億円近くの私財を社会貢献として自治体などに寄付しており、今後も一般財団法人を設立して中小企業を表彰するとしている。
田中亮一郎社長は「今後も100年続く企業を作るため、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラルに挑戦する。地域交通の使命も忘れない」と気を引き締めた。
日刊工業新聞2022年4月7日