東レが売上高50億円以上を狙う次世代ディスプレー用材料群
東レは次世代ディスプレーの「マイクロLEDディスプレー」用材料群で2025年度に売上高50億円以上を目指す。同社は7日、極小の発光ダイオード(LED)チップの高速実装を可能にする「レーザー転写用材料」やLEDと配線の接合プロセスを簡素化する「接合材料」などを開発したと発表した。後藤一起電子情報材料研究所長は、「トータルソリューションで貢献する」と語った。
レーザー転写用材料を使う実装は、従来の高速マウンターを使うチップ実装に比べ1秒当たりの処理チップ数を約180倍に高め、実装時の位置精度も高められる。同方法では、まずLEDを形成したウエハーをレーザー転写用材料を塗布した基板に転写。チップ一つずつにレーザーを照射して転写材料からはがし、吸着層に整列させ、吸着層から一括で実装基板に実装する。
また感光性導電材料「レイブリッド」の技術を用いて、接合材料と基板端部配線材料を開発した。現在チップと配線の接合にはインジウムを使う金属エッチングなどが用いられるが、200度C前後かつ100メガパスカルの条件下で行う必要があった。東レの接合材料を用いたプロセスは120度C、2メガパスカルの条件下で行える上、時間も短縮できる。
日刊工業新聞2021年12月8日