栗本鉄工所が夜間無人稼働へ、ノウハウを詰め込んだ大型機械導入
栗本鉄工所は産業機械や鍛圧機械などを手がける住吉工場(大阪市住之江区)の生産体制を効率化した。5億円程度を投じ、大型機械を2台導入。生産性向上や夜間の無人稼働拡大につなげる。住吉工場は同社の基幹工場の役割を担う。主に機械システム事業に取り組む同工場の自動化、効率化のノウハウを全社で応用していく考えだ。
機械システムの部品生産性向上
栗本鉄工所が住吉工場に導入したのは5軸複合加工機と、門型の大型5面加工機。同社の粉体関連機器とプレス機械などの部品加工に役立てる。
新しい5軸複合加工機は平削、旋削の加工が同時にできる。以前は旋削のみの対応で、夜間の無人状態になった際に可能な加工は限定されていたという。導入した新機種では加工できる部位の数が増えたことなどを踏まえて、夜間を含めた24時間加工の幅が広がる。
5面加工機は部品加工の生産効率が従来より約10%向上した。門幅も4メートル程度と従来機より約0・4メートル拡張。今までの門幅で対応できなかった部品加工ができるため、同社は工程の集約化にもつながるとみる。以前は横中ぐり盤による追加の後加工が必要だった。
住吉工場は産業機械や鍛圧機械のほかバルブ、ポンプ、各種鋳物製品などと扱う事業領域が幅広い。
栗本鉄工所は同工場を「スマートファクトリー」(串田守可社長)と位置付け、蓄積したノウハウを主力のダクタイル鉄管などにも応用する考え。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が懸念されるが、自前のモノづくり基盤を強固にする。