鉄道沿線の落石事故をドローンで防ぐ!

鉄道総研が開発した「非接触振動計測システム」の威力は?課題は法整備

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 鉄道総合技術研究所は6日、鉄道沿線の落石事故を防止するため、不安定な岩塊を100―300メートル離れた場所からレーザーやドローンで非接触により抽出し、落石危険度を評価する「レーザーとドローンを用いた落石危険度評価システム」を開発したと発表した。

 ドローンの法整備の問題や、操作に技術が必要なことから、当面は鉄道や道路の事業者からの委託により、鉄道総研で測定、評価するコンサルティング業務の受託を目指す。

 同システムは、岩盤斜面にレーザーを照射し、岩塊の微細な振動を測定する「非接触振動計測システム」、ステレオカメラを搭載したドローンで岩塊に接近して空撮し、岩塊周囲のひび割れの状態など、三次元形状を測量する「空撮測量システム」、それぞれのシステムから得たデータから振動特性を推定するためのモデルを作成し、数値解析する「数値解析による危険度評価システム」の3つで構成される。

 鉄道沿線の岩盤斜面の岩塊は、人が近づけない場所にあることが多いため、離れたところからレーザーを照射して岩塊の微少な振動を測定し、ドローンで空撮して3次元形状を測量。

 非接触振動計測システムは、鉄道総研が07年に開発したレーザー振動計に自己の振動をキャンセルする機能「Uドップラー」を生かした。Uドップラーは、レーザー振動計を屋外環境で使用した場合に風などの影響で発生する揺れをキャンセルできる機能があり、測定精度を高めた。また、不可視光の赤外レーザーを用いることで、岩盤斜面に計測用の反射ターゲットを設置しなくても振動を計測することができる。

 空撮測量システムでは、岩塊形状を座標点群としてデジタルデータ化し、地上測量では死角となる背面部分の裂け目などの状態も把握できるようにする。

 レーザー振動計測とドローンによる空撮測量のデータを合わせて、数値解析モデルを作成。そこから、実測振動特性の同定による現状の推定と、地震の震度など、落石発生条件を推定する。

日刊工業新聞 2015年08月07日 3面記事を加筆修正

COMMENT

高屋優理
編集局第二産業部
その他

話題のドローンを生かして開発した落石危険度評価システム。ちょっと前、事件で話題になることが多かったドローンですが、使い方を間違わなければ、私たちの生活の様々な場面で役に立つものです。こうした技術を生かすためにも、早く法制度を整備する必要がありそうです。

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