割れないマグネシウム合金、衝撃吸収3倍
物材機構が開発、自動車の構造材などへの応用目指す
物質・材料研究機構構造材料研究拠点の染川英俊グループリーダーは、衝撃吸収力の高いマグネシウム合金を開発した。力を加えると割れずに変形して、衝撃を吸収する。市販のマグネシウム合金に比べ、吸収エネルギーが3倍に増えた。マグネシウムは実用金属材料の中では最も軽い。自動車の構造材などへの応用を目指す。
結晶粒界(結晶粒の境界)の滑りを利用して変形しやすくした。マグネシウムに微量のマンガンを添加すると、粒界に集まって結晶粒同士が滑りやすくなる。円筒形の押出材を作製して圧縮試験をしたところ、蛇腹状につぶれた。
市販材は圧縮すると亀裂が入って割れてしまう。マンガン以外のアルミなどを添加すると粒界が滑りにくくなる。変形することでエネルギーを消費するため、自動車の構造材に利用すれば衝撃吸収効果が期待できる。今後、高速圧縮での衝撃吸収力を検証していく。
結晶粒界(結晶粒の境界)の滑りを利用して変形しやすくした。マグネシウムに微量のマンガンを添加すると、粒界に集まって結晶粒同士が滑りやすくなる。円筒形の押出材を作製して圧縮試験をしたところ、蛇腹状につぶれた。
市販材は圧縮すると亀裂が入って割れてしまう。マンガン以外のアルミなどを添加すると粒界が滑りにくくなる。変形することでエネルギーを消費するため、自動車の構造材に利用すれば衝撃吸収効果が期待できる。今後、高速圧縮での衝撃吸収力を検証していく。