18カ月連続プラスの「建機出荷額」、気になるウクライナ危機の影響は?
日本建設機械工業会(建機工)が発表した4月の建設機械出荷金額は、前年同月比7・5%増の2225億3400万円、このうち輸出向けは同6・1%増の1584億8600万円だった。どちらも18カ月連続のプラスだが、伸び率は3月の同17・7%増、同29・7%増に比べ、大幅に縮小した。ウクライナ危機による欧州向け輸出の減少が主因だ。国内向けは同11・3%増の640億4800万円で6カ月連続のプラス。伸び率は3月の同0・8%増より大幅アップした。
欧州の輸出は3月が同26・2%増だったのに対し、4月は同22・5%減と急落した。ロシアCIS(独立国家共同体)は同20・2%減。欧州全体よりマイナス幅が小さく見えるが「工場生産は停止しても船積みした分は出ているため。5月はさらに落ち込むと考えられる」(建機工)。
北米向け輸出は同17・6%増で16カ月連続のプラスだが、3月の同44・6%増より伸び率は縮小した。金利上昇による住宅着工の減少の影響はまだ出ていないが「この先、注視する必要はある」(同)としている。
アジアは同65・1%増と好調で14カ月連続で前年同月を上回った。中国は同51・0%減と大幅マイナスで、落ち込みはまだ続いている。豪州を抱えるオセアニアは同2・1%増。伸び率は小さいが「前年同月が2・1倍強に伸びており、その数字との比較になるため基調としては相当強いと言える」(同)状況だ。
国内の伸び率増加は建設需要の増加が背景となっている。建設用クレーンの国内向けは同42・1%増と大きく伸びた。
日刊工業新聞2022年6月1日