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日立建機が超大型油圧ショベルを遠隔操作した!

日立建機は25日、超大型油圧ショベルの遠隔操作実験を行った。幕張メッセ(千葉市美浜区)の展示会会場と北海道浦幌町の同社試験場を結ぶ、直線距離約870キロメートルの区間を通信網で接続。幕張メッセからショベル操作を行った(写真)。鉱山現場では24時間365日の稼働が求められ、オペレーターの身体的負担が大きい。日立建機はこうした実情を踏まえ、2030年度までに建機の自動運転を目指して開発を進める。

実験では超大型ショベル「EX2500―6」を遠隔操作した。同ショベルに無線アンテナやカメラをセット。浦幌試験場内の通信は5ギガヘルツ帯(ギガは10億)のWi―Fi(ワイファイ)と60ギガヘルツ帯の高速無線ネットワークを使用してカメラ映像と遠隔操縦の信号データを伝送。浦幌試験場と幕張メッセ間は通信事業者の閉域網を使った仮想私設網(VPN)接続でデータを伝送し、オペレーターが操作する遠隔操縦席に接続した。

オペレーターは映し出される画面を見ながらショベルを操作。バケットが深く掘り過ぎたり、ずれた位置を掘ったりすることがないよう細かい調節を行った。掘削を最適制御するバケット調節、ダンプに積み込む際のブーム操作などでオペレーターの負担を軽くするとともに燃費効率の高い掘削を実現した。

日刊工業新聞 2022年5月26日

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