コロナ禍で注目!新日本空調「微粒子可視化システム」の可能性

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左奥に光源があり右側から高感度カメラで撮影。自社ソフトを用いて飛沫の拡散を可視化する

新日本空調は目に見えづらい浮遊粒子を可視化する「微粒子可視化システム」を手がけている。飛沫(ひまつ)がどのように拡散しているのかなどを映像で示せるため、コロナ禍で注目されている。岡本隆太上席執行役員ソリューション事業部長は「新型コロナウイルス感染症の拡大により、事業を再開させるための根拠づくりのためのニーズが出てきた」と話す。

微粒子可視化システムは、取引先メーカーから半導体の歩留まりに影響を与える塵やホコリの可視化を求められたことで研究を始めた。そこで朝にカーテンを開けると明るい部分でホコリが見えるといった光が粒子の間で散乱し、光の通路が見える「チンダル現象」に着目。研究を進め、1998年に一定の技術を確立することができた。

同システムには浜松ホトニクスの高感度カメラに加え、レーザーもしくは発光ダイオード(LED)を光源に使用する。これに自社開発の評価ソフトを搭載したノートパソコンでモニターする。東京都中央区の本社内にクリーンルームを設けて実験ができるほか、企業などの依頼を受けて現場で評価するサービスも提供する。

生産ラインの「稼働率が落ちた」などの困り事に対し、空気の流れを可視化することで原因を探る。使用機材の見積もりは現場を確認した上で出す。新日本空調は改善活動のツールとしての使用を想定しており「映像を(相手先の)経営層に見せることで、具体的な手を打っていくような効果もある」(岡本上席執行役員)という。

評価の用途を想定していた半導体業界のほか、光学フィルムなどを扱う素材業界でも採用された。新型コロナウイルスの流行前は年約100件の受託実績があった。新型コロナ関連の計測ニーズは増えているが、今後も産業向けの提案に力を入れる。岡本上席執行役員は「新しい技術として情報を発信し、顧客の幅を広げて本業の空調工事との相乗効果を出したい」と期待を込める。(石宮由紀子)

日刊工業新聞2021年3月16日

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