セブンーイレブン社長「24時間のニーズがなければやる必要はない」

永松文彦社長に聞く、加盟店との溝は埋まりますか?

 2月に大阪のセブン―イレブンのフランチャイズ加盟店オーナーが夜間の人手不足から時短営業を強行したのを機に、人手不足に苦しむコンビニの24時間営業が社会問題化した。コンビニ各社は時短営業の実証実験を始め、「24時間営業=コンビニ」というビジネスモデルの再検討を迫られている。永松文彦セブン―イレブン・ジャパン社長に聞く。

 ―課題山積のタイミングで社長に就任されました。何から取り組みますか。
 「まずコミュニケーションをよくしたい。創業時から経営トップが、加盟店の経営相談を担うオペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC)に、考え方などを直接話して、それを理解したOFCが加盟店オーナーに伝える『ダイレクトコミュニケーション』を大事にしてきた。『すべて共有』がセブンの強さだった。しかし規模が大きくなり、それぞれに伝わりにくくなっている。もう一度密にするためOFCに理解を浸透させることから始める」
 
 ―全役員が加盟店に出向き、オーナーとの対話を始めました。気づいたことは。
 「例えば加盟店が本部に納めるロイヤルティー。加盟店にとって率が低い方が良い。しかし我々は集まったお金を店舗のレイアウト変更、商品やシステム開発などに投じていると説明している。19年度は設備投資1450億円のうち8割を既存店向けに使う。投資の中身を具体的に伝えるとオーナーは理解を示してくれる」

 ―競合含め店舗数が5万店超となり、一定地域に集中出店するドミナント戦略には批判も多いです。
 「以前は若い人が夜に利用することが多かったが、今は50代くらいの女性らが日常のものを買う傾向にある。商圏が狭くなり、新たなニーズが顕在化している。ドミナントで一時的に売り上げは落ちるが、競合が出店しづらくなれば、結果としてセブンの店舗を守ることになる」

 ―改めて24時間営業については。
 「商圏内のお客さまにとって24時間が必要かどうかだ。24時間のニーズがなければやる必要はない。ニーズがあって人手不足で運営できないなら、本部によるオーナー・ヘルプ制度を活用してもらい、従業員派遣制度も充実させる」

【記者の目】
 コンビニは便利だから利用されてきた。だが人手不足により長時間労働を余儀なくされている加盟店もあると知って以降、コンビニで働く従業員の姿に、複雑な思いを抱くこともある。加盟店と本部の間の溝は大きいが、時間がかかっても「コンビニトップのセブンだからできた」という解決策を見てみたい。
(文=丸山美和)

日刊工業新聞2019年7月2日

明 豊

明 豊
07月06日
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セブン―イレブン・ジャパンは5日に本部との合意なく休業するのはフランチャイズチェーン契約違反にあたるとの永松文彦社長名の警告書を出した。過渡期の中で、今後もさまざまな問題が出てくるだろう。往々してこれまでの「強み」は、オセロのように「弱み」に変わる。また本インタビュー後に発覚したスマホ決済「セブンペイ」の不正アクセス問題。セブンだけでなくコンビニ各社にとって顧客の囲い込み戦略の一環だけに、信用回復に全力を上げる必要がある。

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