「人事異動の思惑」はAIでも無くならない!?

 春は出会いと別れの季節。新しい学校や企業に入り、新生活を始める人も多い。新年度に向けて期待に胸を膨らませていることだろう。

 企業であれば、国内外の転勤や部署間の異動などがあり、個人の生活にも影響を与える。子会社や他組織への出向を含む人事異動は社内の大きな関心事だ。適材適所で人を配置し組織を活性化させるため、経営者は頭を悩ませている。

 各部署のトップは部署の仕事に適切な人材を集め、チームの強化を考える。しかし、人材配置の要素は個人の能力値だけではない。そこには各部署のさまざまな思惑が交錯する。

 文部科学省は4月の人事異動において国立大学の理事への出向者数を減らす方向で調整している。文科省は「国立大の自律性を高めることが狙い」としているが、組織ぐるみでの天下りのあっせんや出向中の文科省幹部の逮捕など不祥事で失った信頼を回復したいという別の思惑もある。適材適所だけでは人事は決まらない。

 最近、人工知能(AI)を人事異動の判断材料として活用しようとする企業も現れた。ただ、最終的な人事の決定権は人にある。新しいメンバーをチーム内に迎えるにあたり、組織内での人の生かし方の重要性をあらためて考えたい。

日刊工業新聞2019年3月26日

  

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