イオン、「とにかく女性管理職を!」の反省

ダイバーシティーの取り組みテコ入れ

 イオンは女性管理職登用の取り組みをテコ入れするとともに、グループ従業員向けの総合共済会で、性的少数者(LGBT)への結婚祝い金の支給を今春に始める。行政からの証明書を基に交付する。ダイバーシティー(多様性)推進の一環として、企業風土づくりの一助にする狙い。

 イオンの国内外のグループでは約52万人の従業員が働いている。「多様な人材が活躍できなければ、企業として存続できない」(田中咲ダイバーシティ推進室長)との考えのもと、障がい者や外国人など多様な人材の活用に取り組んでいる。

 なかでも力を入れているのが女性管理職の登用。2013年の株主総会で、管理職に占める女性の比率を現状の約7%から16年度は30%、20年度には50%へ引き上げる目標を示した。

 ただ、目標発表直後は「とにかく(女性を)部長、課長に任命してしまった」(高橋丈晴執行役人事・管理担当)と振り返る。田中ダイバーシティ推進室長は「『人事、本社、男性』だけで決め、取り組んでいた」と話し、制度などを見直したと語る。16年度の女性管理職比率は27%と、目標を3%下回った。

 女性側の意識改革も課題だという。「『管理職は大変』と考え、登用試験に消極的な人もいた」(田中室長)。イオンはセミナーなどを通じ、キャリアアップで得られる仕事の楽しさなどを伝えている。一方で部下の育児と仕事の両立に理解のある管理職の育成などにも努める。

 併せて健康管理にも力を入れる。これまで従業員の健康問題は「自己責任」との発想だったという。しかし「(商品やサービスで顧客に)“ヘルス&ウェルネス”を提案しているのに、従業員が不健康という訳にはいかない」(世古継敏グループ人事部長)と、情報通信技術(ICT)を使い、従業員の健康管理に積極的に関与するようにした。

 カギとなるのは“見える化”。総合スーパーマーケットを運営し、グループ従業員数の約4分の1を占めるイオンリテールの場合、従業員の健康年齢が1歳若返ると医療費は1億円削減できるといった試算を公表。「ウォークラリー」への参加やメタボリック改善などの条件をクリアすると、「健康ポイント」を付与する制度を4月に始める。同ポイントはイオングループでの買い物などに使える「ワオン」ポイントに交換できる。

 人手不足対策としてITや人工知能(AI)への活用を目指す一方で、従業員が働きやすい環境づくりは不可欠となっている。
(文=江上佑美子)

日刊工業新聞2018年1月10日

明 豊

明 豊
01月13日
この記事のファシリテーター

ある大手企業の人事担当役員との会話。「今、女性で大手企業の役員になっている人の多くは、ある意味“男”にならないと幹部に上がっていけなっかった。だから発想も行動も男性に近く、役員でいたとしても本当のダイバーシティーにならない」ー。個人的には今の30代ぐらいが幹部になる10年、15年先までは数字遊びが続くような気がする。

この記事にコメントする

Leon Kyomura
Leon Kyomura
06月24日
もしもし、小売百貨店という職場は男性より女性が多い職場だった。このような職場では女性のセハクラ・パワハラ・モラハラ・アーサーション問題が社内の隠された問題としてある。最近、インオだけでなくスーパーマーケットなどで、「女性第一に、、女性の目線で、、経営をしています」的な館内放送を流している。社会は男性に家事参加を要求し、妻に先ただたれた高齢の男性や育メンや主夫も増え、男性が家事育児をすることもおおくなり館内のお客さんの1/3は男性である。イオンは今の時代にこんな差別放送を平気でする経営をしているといえる。
高橋 慶一
高橋 慶一
01月14日
「とにかく女性を部長、課長に任命してしまった」ため、具体的にどのような問題が起きたのかを伝えて欲しい。
  

ファシリテーター紹介

PRmore

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。