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建機のデータ使って、現場の事故要因を工事関係者に提供

コベルコ建機が10月から
 コベルコ建機は工事現場の事故防止に役立つ情報提供を10月から始める。20トン級の新型油圧ショベルに搭載した衝突軽減システム「ケーアイプロ」が作動した時間や場所などのデータを、工事関係者が確認できるようにする。現場では作業者が油圧ショベルにひかれたり、挟まれたりする事故が後を絶たない。事故が起こりかねない要因を「見える化」し、工事の元請けや作業者での情報共有につなげる。

 コベルコ建機は衝突軽減システムにより現場での事故要因「ヒヤリ・ハット」をデータとして管理できることから、無償で閲覧できる仕組みを整える。

 工事関係者が保有している機種とともに、レンタル会社の機種も貸出期間に応じてデータを提供する。工事関係者が打ち合わせなどでデータを確認し合い安全対策を徹底する意識を高めてもらう。ゼネコンの協力も得て、情報提供のあり方などを検討している。

 コベルコ建機は新型油圧ショベルに衝突軽減システムをオプションで提供している。周辺の障害物を検知すると、オペレーターに障害物の位置を表示するとともに警報で知らせる。旋回や走行の速度も自動で落としながら停止する。停止後も操作でき、安全性と作業性を両立する。
日刊工業新聞2017年9月15日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
工事の元請け会社は現場の安全性を徹底する意識が高く、事故防止に必要な情報へのニーズが見込まれる。油圧ショベルの販売に加えて、安全対策に関連する情報を提供して顧客との関係を強化したい考えだ。 (日刊工業新聞第一産業部・孝志勇輔)

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