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タニタ、料理はかりの生産もしっかり管理

「目標はロット数が100以下でも採算ベースを達成できるようにすること」
タニタ、料理はかりの生産もしっかり管理

複数のラインをベルトコンベヤーで集約し効率化を進め、多品種少量生産を実現する

 タニタ(東京都板橋区、谷田千里社長)は、体組成計や料理はかりなどの主力製品を子会社のタニタ秋田(秋田県大仙市)で生産する。主に家庭用と業務用の製品を手がけ、付加価値の高い高機能製品を生み出す体制を構築する。

 プラスチック成形から鉄板加工、塗装、電子機器を基板にハンダ付けする表面実装技術(SMT)を駆使し、社内で一貫生産している。

 外注するとロット数がかさみ納期が遅れる上、タニタが目指す多品種少量生産は実現できない。企業や自治体向けのカスタム品やキャラクター製品の受注が増え、多品種少量生産が不可欠になったからだ。樫尾昇執行役員は「目標はロット数が100以下でも採算ベースを達成できるようにすること」と話す。

 多品種化を実現させるためには業務の効率化が欠かせない。例えばプラスチック成形工程は従来、プラスチックのバリ取りと検査、梱包(こんぽう)のため、ラインごとに従業員1人を配置していた。製品が増えればラインを増やし、人員も増やす必要が出てくる。

 これに対し、プラスチック成形金型の精度を高め、バリが出にくい金型に改良、ラインの少人数化を実現した。同時に各ラインの出口を1本のベルトコンベヤーでつなぎ、成形品を1カ所に集約。少ない人数で検査、梱包できるようにした。

 さらにタニタでは、品質を高めるため各職場で5―6人単位でグループを編成し、TQC活動を続ける。工程内の不良項目のデータを分析し、重要度や緊急度などから改善項目を決め、目標に向かって対策を続ける。
(文=西東京・松崎裕)
日刊工業新聞2017年4月14日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
技術やノウハウの伝承、業務の改善を進め、よりよい生産の現場づくりにつながっている。 (日刊工業新聞西東京支局・松崎裕)

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