豊田織機の自動運転貨物けん引車、羽田空港に合わせて性能向上
豊田自動織機は30日、2022年10月に自動運転トーイングトラクター(貨物けん引車)を発売すると明らかにした。条件付きでシステムが運転を担う「レベル3」に相当し、空港や工場などでの搬送作業向けに提案する。東京の羽田空港では同日、製品化のベースとなる車両を使った、自動運転による貨物搬送の実証試験を実施。21年10月には同空港で実環境での試験運用を始める計画だ。
実証では自動運転トーイングトラクターが200キログラムの荷物を載せたコンテナ計6個をけん引しながら、往復3キロメートルの距離を走行し、貨物小屋に搬送する試験を実施した。自己位置推定性能を高精度化したほか、旅客や貨物の多さに加えて坂道があるなど大きなけん引力が必要な羽田空港の環境に合わせて、走行性能を高めた。同空港では従来はエンジン車が使われており、電動車が荷物運搬を実現したのは初めてだという。
今回の自動運転トーイングトラクターが実現すれば、4人の作業人員の省人化が見込める。豊田織機は25年ごろの完全無人搬送の実現を目指している。(名古屋)