トヨタがターボチャージャーを豊田自動織機に生産移管する狙い

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トヨタの豊田章男社長

トヨタ自動車は、ターボチャージャー(過給器)生産を豊田自動織機に集約する方針を固めた。トヨタの三好工場(愛知県みよし市)の生産ラインを、2021年秋ごろから順次、豊田自動織機の東知多工場(同半田市)に移す。トヨタはすでにディーゼルエンジン事業を豊田自動織機に移管し、同社がディーゼル用ターボを手がけている。ターボに不可欠なコンプレッサーでも高い技術力を持つ同社に集約することで、相乗効果を高める。

トヨタは三好工場で、高級セダン「クラウン」や高級車ブランド「レクサス」のクロスオーバースポーツ多目的車「NX」、旗艦セダン「LS」などに搭載される直列4気筒エンジン用ターボや、V型6気筒エンジン用ターボを生産している。豊田自動織機は東知多工場で新棟を建設しており、ここにターボ生産ラインを移管する見通しだ。

また21年中に生産を始める予定の新型エンジン用ターボは、豊田自動織機で立ち上げるとみられる。開発、設計についても同社が手がけていく方向だ。一方で三好工場の既存のターボ生産ラインの一部を同社以外のターボメーカーへ移管する可能性についても、同時に検討しているもようだ。

トヨタはグループの部品メーカーも含め、技術や事業の強みを持つ企業に事業を集約する再編を実施している。18年頃からは「ホーム&アウェー」のかけ声の下、その動きを加速しており、半導体を手がける広瀬工場(愛知県豊田市)のデンソーへの譲渡や、豊精密工業の保有株式をジェイテクトに譲渡するなどしてきた。

豊田自動織機は産業用・自動車用ディーゼルエンジンや、同エンジン用ターボを手がけており、知見を深めてきた。加えてカーエアコン用コンプレッサーで世界シェア首位を占めるなど、圧縮技術にも強みを持つ。自動車の二酸化炭素(CO2)排出規制が強まる中、エンジンの燃費改善や環境負荷低減への貢献が見込めるターボ事業の競争力強化につなげる。

日刊工業新聞2021年1月14日

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