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中国は懸念も、新たな成長ドライバーを手に入れた「半導体装置」の行方

米の対中規制強化懸念

2024年の半導体製造装置各社は人工知能(AI)関連の需要増を追い風にした。近年は中国需要などを背景に販売数を伸ばしたが、新たな成長ドライバーを手に入れた。一方、市場を支えた中国は米国による規制の懸念もくすぶる。25年は低迷するメモリーの設備投資の動向次第では、半導体製造装置はAIへの依存をますます深めることになる。

日本半導体製造装置協会(SEAJ)によれば、日本製半導体装置の24年度販売高は前年度比15・0%増の4兆2522億円と2年ぶりに増加する。好影響に寄与したのがAI需要だ。AIを学習・推論させるAIデータセンターに使う画像処理半導体(GPU)や広帯域メモリー(HBM)の生産増の恩恵を受けた。

現在のAI向け半導体はGPUの米エヌビディア、HBMの韓国SKハイニックス、世界最大のロジック半導体受託製造(ファウンドリー)の台湾積体電路製造(TSMC)が覇権を握る。この3社に採用される半導体製造装置メーカーは24年度業績予想でも好調だ。

代表格が東京エレクトロンだ。24年度業績予想を前年度比31・1%増の2兆4000億円にした。AI関連のロジックやDRAM投資の前倒しなどの影響を受けた。アドバンテストやKOKUSAI ELECTRICなども同様に大幅な増収を見通す。アドバンテストのグループ最高経営責任者(CEO)のダグラス・ラフィーバ氏は「半導体の複雑性は増すばかりで、25年度も成長が期待できる」と強調した。業界内でも「AIに関わるメーカーは好調。それ以外は不調という二極化が進んでいる」と分析する。

懸念は中国だ。今後、米国による輸出規制の強化が予想される。各社は売上高のおおむね40%程度を中国向けで構成。各社は規制強化を見越し、売上高比率が下がると見ている。半導体製造装置で好調な分野はAIしかなく、25年の市況はAIの投資動向に左右されることになる。


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日刊工業新聞 2024年12月05日