トヨタの世界生産…24年度は1040万台、国内は300万台維持
トヨタ自動車が2024年度の世界生産を約1040万台にする計画を固めたことが分かった。足元では新型コロナウイルス感染症や半導体不足が解消したほか、旗艦ブランドや売れ筋の車種で新型車を投入するなど好調な受注が続いている。国内生産はサプライチェーン(供給網)の維持に不可欠だとしている300万台を維持する。
主要1次部品メーカーに伝えた。トヨタと高級車ブランド「レクサス」を合わせた生産台数で、内訳は国内が約340万台、海外が約700万台。電気自動車(EV)シフトが加速している一方で、EVはインフラの整備が不可欠。トヨタの強みであるハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が現実解として需要が増している。
今やガソリン車並みに稼ぐ力を持つHVやPHVはトヨタの重要な収益源。長期では3割程度と予測されるEVだが、電池やソフトウエアの強化、次世代生産システムの導入など開発投資も膨大になる。生産量の増加を背景に収益を確実に取り込み、次世代投資の源泉にしたい考えだ。
ただ、部品メーカー各社では人手不足などの問題が顕在化している。また老朽化した設備を持つ企業もあり、これらの更新なども必要になっている。計画の実現には供給網と一体となった対応が一層重要になる。
トヨタでは23年度の生産を1010万台に設定している。
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日刊工業新聞 2024年01月17日