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ロボットスーツ「HAL」、地方自治体で需要増の理由

サイバーダインは地方自治体に、ロボットスーツ「HAL」を拡販する。豪雨など自然災害の復旧作業で、作業者の腰負担を軽減できるため、復旧作業に役立ててもらう。「すでに各地の消防本部などからの問い合わせが50件以上、来ている」(宇賀伸二取締役)としており、今後は自治体向けに災害への備えとしてレンタルメニューを準備し、販売する。

豪雨災害からの復旧で2018年度は岡山県(倉敷市と高梁市)、広島県(呉市と海田市)の2県でHALの貸し出しとボランティア活動を行った。19年度の台風災害で引き合いが増え、貸し出しを茨城県(大子町)、神奈川県(相模原市)、佐賀県(大町町)の3県で行った。

家屋の床下に大量にたまった泥のかき出し作業、高圧洗浄機による洗浄作業、町役場職員による救援物資の運搬作業などで、HALを装着した作業者が重量物を軽々と持ち上げる様子が多くの人に注目され、認知度向上につながった。

企業では大和ハウス工業などが、鉄骨部材へのプレート取り付けなど重量物を扱う作業にHALを活用し、腰の負担を和らげている。今後は企業向けに加え、自治体の復旧作業支援機器、消防署の救急隊員向け装備品としての採用を働きかける。

最近は女性の救急隊員が増えており、救急搬送やストレッチャー作業で役立つとみている。

日刊工業新聞2019年12月11日