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豚の体重推定システムが更新、作業の効率化を高める

豚の体重推定システムが更新、作業の効率化を高める

自動撮影機能などの搭載で、作業者の負担軽減が期待される

伊藤忠商事子会社の伊藤忠飼料(東京都江東区)は、NTTテクノクロス(同港区)と共同開発した養豚農家向け豚体重推定システム「デジタル目勘」のソフトウエアバージョンアップを2021年2月めどに実施する。豚を撮影して画像から体重を推定するもので、新たに自動撮影機能や履歴機能などを設け、作業の効率化が図れる。

豚は格付けで価格が決まるが、大きすぎても小さすぎても格落ちとなるため、体重管理が欠かせない。

ただ、豚を体重計に追い込む従来の体重測定は2人1組で行っても重労働・単純作業で、作業者への肉体的・精神的負担が大きいのが課題だった。また、作業者が目視によって推測(目勘)する場合も精度にバラつきが出ていた。デジタル目勘は、小型端末に搭載したカメラで豚の3次元(3D)データを撮影する。新バージョンでは新たに人工知能(AI)による自動撮影機能を搭載することで、撮影機会を逃さずに誰でもブレの少ない体重推定を可能にした。

新たに撮影履歴の閲覧機能を設け、豚の体重推移を把握しやすくした。既存の販売済み端末でもソフトウエアをアップデートすることで、最新バージョンの機能を使用できるようにする。

端末価格51万8000円(消費税抜き)、1台当たり月1万5000円(同)のソフトウエア利用料は据え置く。販売済み顧客には無償でバージョンアップする。

これまでの養豚場への導入事例では、出荷する豚のストライク率(枝肉重量が73キロ―80キログラム)が導入した最初の月から約70%を達成でき、導入7カ月で80%を超えるまでになったという。

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