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ドームツアーからスポーツ試合まで裏方一筋!プロフェッショナル集団が見据える五輪

コンサート・スポーツ大会・展示会…大から小までサポート
ドームツアーからスポーツ試合まで裏方一筋!プロフェッショナル集団が見据える五輪

シミズオクトの案内スタッフ

**イベントのプロ
 シミズオクトは舞台美術や施設管理、警備業務など、イベントに携わるすべての道のプロフェッショナルがそろったスペシャリスト集団だ。1932年(昭7)の創業以来80年以上にわたり、「裏方」としてコンサート、展示会、博覧会、野球・サッカーの公式試合やその他スポーツの国際大会など、さまざまなイベントの快適性や安全性をサポートしてきた。社長の清水太郎は「これからもシミズオクトは感動を創る『場』を支え続ける」と話す。具体的には「施設や競技団体の意向を忠実に実現することをモットーにやっている。それが礎」とも。

 社名のオクトはラテン語で「八」を意味する。多部門を手がけるというだけでなく、事業が末広がりに伸びることも込められている。太郎は3代目。

 同社の強みは、コンサート・スポーツ大会・展示会・その他の「あらゆるイベントの会場作りに関するプランからデザイン、製作、施工、本番、撤収までトータルに行える」(清水社長)ことだ。また全国に拠点を置くため、コンサートの「全国ツアーや地方開催にも柔軟に対応しますと言える」こと。

東京ドーム常駐


 イベントは年々規模が大きくなり設営は複雑化している。それを安全に行うために、構造計算や安定計算を通じて、施工の安全を確保している。

 毎晩のように東京ドームでは音楽系イベントも行われているが、同会場でプロ野球以外の興業、リハーサルなどを含めてイベントに使われるのは217日に及ぶ。これらのイベントの多くをシミズオクトが請け負うため、現地に営業担当が常駐しているほどだ。

 ドームツアーをはじめ、国内の大型会場から地方の会場まで、海外・国内のトップアーティストのコンサート、野外フェスティバル、テレビの番組セット、特番セットなどの美術プラン・デザイン・設計・施工全般を担う。

 ドームイベントもマイケル・ジャクソンのようなトップスターだけが行う時代ではなく、若手の韓流グループでも挑むようになってきた。それに伴い、「うちがサポートする範囲も広がっている」。

 2020年の東京五輪・パラリンピックは「ビッグチャンスと捉え、数年前から準備を重ねている」。前回の64年大会は「首都高、代々木体育館などインフラが整備され、それがコンサートやイベントに使われる“レガシー(遺産)”になった。今回は警備とサービスソフトを両立させるイノベーションを目指す」と新時代の「裏方」を志向している。(敬称略、鈴木景章)
社長・清水太郎氏

【企業プロフィル】
▽住所=東京都新宿区下落合1の4の1▽社長=清水太郎氏▽設立=59年(昭34)3月▽従業員=789人▽売上高=約400億円(17年1月期)
日刊工業新聞2017年7月4日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
海外ではイベントを狙ったテロも連発しており、安全対策への関心が一層高まっています。いままでにない範囲のプロをそろえる必要も出てくるかもしれません。

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