ニュースイッチ

「破たん」劇的ビフォーアフター!JALは変わったか(26)ニッポンガイド大変身

対応言語増やしアクセス3倍に。海外支店が訪日外国人のニーズをくみ上げる
 日本航空(JAL)は2012年10月に、訪日外国人の拡大を見越し、Web販売部に海外webグループを設置した。14年3月には05年の開設以来、手つかずになっていた訪日外国人向けの情報サイト「Guide to Japan」をリニューアル。14年度のウェブサイトを通じた海外売上高は、12年度に比べ3・5倍と大幅に増えており、マーケティングに本腰を入れる。

 Web販売部海外webグループ長の藤田亘宏は「経営破たん前後の経営状態の中で、限られた原資を外国人向けのウェブサイトに投下するのは後回しになっていた」と話す。Guide to Japanは、対応言語が英語のみで、最低限のメンテナンスだけを施しながら、長らく放置された状態になっていた。藤田は13年1月に今のポジションに就くと、リニューアルの必要性を説いて回った。

 社内の理解が得られると、構想と開発に1年を費やし、Guide to Japanを全く別のものにリニューアル。ポイントは、海外からの生の情報だ。海外支店のヒアリングで得られた情報を元にしたコンテンツ作りにこだわった。海外webグループの小吹有香は「その国の人に何が刺さるかは、現地の支店が一番よく分かっている」と話す。3月には欧州の支店からの情報を元にコンテンツを拡充。日本を感じられる体験型スポットや、地図と連動して日本酒を紹介するコンテンツなどを増やした。
 
 Guide to Japanは14年9月に中国語など言語を増やしたこともあり、リニューアル前と比べ、アクセス数が3倍に拡大した。6月には、フランス語やドイツ語など、欧州の言語を加える計画だ。藤田は「情報サイトはあくまで航空券を買ってもらうためにある。たくさんの人に来てもらって、航空券を買ってもらうためには、その国の言葉でおもてなしをすることが大事」と話す。今後はタイ語や韓国語などへの対応も検討している。

 「強い気持ちをもってやって来て、少しずつ形になってきた」と、藤田はこれまでを振り返る。20年には年間2000万人が目標の訪日外国人。海外webグループがやれることは、まだ山積している。(敬称略)
日刊工業新聞2015年04月17日 建設・エネルギー・生活面
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
有楽町のガード下の居酒屋や、栃木県のあしかがフラワーパークなど、特段アピールもしていないのに、外国人が大挙して訪れているスポットがいくつかあります。これらは海外で発行されているガイドブックで取り上げられたり、口コミなどで広がったようですが、外国人が何を求めて日本にやってくるのか、まだまだ捉え切れていないところも多いのではと思います。彼らのニーズを的確に捉え、アピールできれば、埋もれていた観光資源の掘り起こしにつながる可能性がありますし、観光大国として日本が飛躍するために、必要不可欠なことではないかと思います。

編集部のおすすめ