積水化学が60億円投資、メディカル工場の設備を増強する狙い
積水化学工業はメディカル事業を手がける2工場の生産設備を増強する。医薬品の受託製造において、低分子から高分子まで全ての領域で対応できる体制を整える。投資額は計60億円。
増強するのはライフサイエンス事業の中核子会社である積水メディカル(東京都中央区)の岩手工場(岩手県八幡平市)と、英セキスイ・ダイアグノスティックスの英ケント州の工場。岩手工場では中間体製造棟を新設し、低分子医薬品向け原薬・中間体の生産能力を現在比25%増やす。ペプチド(中分子)医薬品原料の生産体制も増強する。
英国工場では微生物たんぱく質培養・精製施設を新設し、たんぱく質医薬(高分子)向け原料の開発・製造受託(CDMO)に向けた体制を整える。
両工場とも医薬品製造品質管理基準(GMP)に準拠した生産設備にする。稼働開始は岩手工場が2023年3月、英国工場が22年9月。
積水化学グループは低分子医薬品向け原薬や、診断薬向け酵素の製造販売などを手がけている。医薬品市場のニーズの多様化、高コスト化に対応するため、幅広い領域で原薬などの供給体制を整える必要があると判断した。
日刊工業新聞2020年8月31日