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高性能半導体向けで売上10億円以上目指す。東レが「微細接合向け絶縁樹脂」開発

高性能半導体向けで売上10億円以上目指す。東レが「微細接合向け絶縁樹脂」開発

無機ハイブリッド基板と有機ハイブリッド基板のシリコンダストの影響比較(東レ提供)

東レは高性能半導体チップの微細接合技術に対応した新規絶縁樹脂材料を開発した。半導体など向けの絶縁樹脂材料として展開するポリイミドコーティング剤がベース。金属電極を形成した半導体チップ同士を接合する工程の収率と、半導体デバイスの信頼性向上につながる。足元では、先端半導体用途で海外顧客へのサンプル提供を進めている。2025年の材料認定、28年に量産と年10億円以上の売り上げを目指す。

高性能半導体チップへ適用が期待される「ハイブリッド接合」では、ウエハー基板の一方をチップサイズに加工した後、もう一方のウエハー基板に貼り合わせる「C2W」の実装方式が注目される。半導体の絶縁材料として一般的な二酸化ケイ素では、チップ加工時に生じるダストを挟み込み、チップの接合不良や半導体パッケージの信頼性低下につながる課題がある。

東レはシンガポール科学技術研究庁のマイクロエレクトロニクス研究所(IME)と連携し、ハイブリッド接合の実証を20年から進めている。半導体関連会社との連携により、開発した材料をC2W方式のハイブリッド接合方式に適用することを目指す。


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日刊工業新聞 2024年03月20日

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