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ゴミ処理施設の自社運営比率5割に引き上げ、日立造船系の狙い

ゴミ処理施設の自社運営比率5割に引き上げ、日立造船系の狙い

日立造船イノバはゴミ処理施設の自社運営比率を高める(運営受託も手がけるアラブ首長国連邦ドバイの施設)

日立造船イノバ(HZI、スイス・チューリヒ)は、ゴミ処理プラントの自社運営比率を現在の1割から2030年代に5割に引き上げる。同社はゴミを原料にしたガスや電力の生産プラントの設計や建設が主力だが、運営事業を含めた受注を拡大する。欧州連合(EU)欧州委員会はロシア産燃料の依存解消を狙ったゴミ由来のガス利用拡大に取り組んでおり、設計から運営までの一貫受注を強みとして建て替え需要を取り込む。

再生可能エネルギー由来の余剰電力を都市ガス原料のメタンにするパワー・ツー・ガス(P2G)向けのプラントとしての展開を狙う。ゴミのメタン発酵で生じた二酸化炭素(CO2)と再生エネで動かす水電解装置で作った水素を合成してメタンを作ることで、ゴミ処理施設の価値を高める。水素の生成やメタン化も含めて対応できる点を訴求して受注拡大を狙う。

足元は再生エネ由来電力が安価な北欧を重点市場とみて、建て替え需要を狙う。一つのプラントを建設すると数十年単位で稼働するため、運営事業は安定的な収入源となる。

自社保有のプラントも展開する。ゴミの受け入れやガスの供給によって収益を得る仕組み。25年からイタリア・ピエモンテ州で20年間のメタン供給事業を始める。家畜のふん尿や農業副産物の処理能力は年間4万2500トンで、メタン供給量は年間35ギガワット時(ギガは10億)。こうしたプラントを各地に展開する。

欧州委員会が22年に発表した「REPowerEU」では、ゴミ由来のガス「バイオメタン」を350億立方メートルに拡大する方針を掲げる。実現には約800億ユーロ(約12兆円)を投じて約5000件の新規プラント建設が必要とされている。


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日刊工業新聞 2023年10月06日

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