ニュースイッチ

プラスチック製品づくりの基礎「射出成形」作業の流れを詳しく知る

おすすめ本の抜粋「トコトンやさしい射出成形の本」
プラスチック製品の作り方はさまざまで、製品の形状、使用する材料などによって成形法を決めていきます。特に多く活用されているのが射出成形です。
プラスチック成形を入り口として、射出成形について丁寧に解説した書籍『トコトンやさしい射出成形の本』(横田明著)から一部抜粋します。

ここでは注射器で金型に樹脂を射込んで成形する過程をイラストで解説します。
 まず、注射器内部には製品分より少し多めの溶かされた樹脂が入っています。次に、金型を閉じます。この時、車同様、発進時から停止までは低速―高速―低速と段階的に動かします。そして、もし金型に異物などが挟まっていると金型を壊すので、さらに低速かつ弱い力で安全を確認しながら、可動側と固定側を接触させていきます。その後、大きな型締め力で締め付けるのです。

注射器の先端(ノズル)が金型の樹脂の入口に接触します。射出時にノズルから樹脂漏れしないような力で押し付けておきます。それから注射器の中の溶けた樹脂を金型の中に射出し注入していくのです。詳細は後述しますが、この工程には、樹脂を隅々まで押込む射出工程とその後、押込み状態を保持する保圧工程という2つの工程が含まれています。

そして、金型の中で冷やされるのを待つのです。金型は水などで冷やされています。製品が冷やされている間に、注射器は、次の成形用の樹脂を溶かして準備しておきます。樹脂を溶かすことを可塑化と呼び、製品の量だけ可塑化しておくことを計量(量を計っておくこと)と呼びます。

製品の冷却が十分に行われたら、強い型締め力から一旦力を開放する型締め弛緩(しかん)をしたのち、低速―高速―低速の順番で金型を所定量開きます。所定量というのは、製品が取り出せる程度の開き量です。あとは、製品を突き出して製品を取り出し、次のサイクルを繰り返すのです。

要点BOX
●金型を閉じる時は、低速―高速―低速
●溶かした樹脂を射出し注入、金型の中で冷やされるのを待ってから取り出す

(「トコトンやさしい射出成形の本」p.52-53より一部編集し抜粋)

<販売サイト>
Amazon
Rakutenブックス
日刊工業新聞ブックストア

<書籍紹介>
書名:今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい射出成形の本
著者名:横田 明
判型:A5判
総頁数:160頁
税込み価格:1,980円

<執筆者>
横田 明(よこた・あきら)
技術士(化学部門、高分子製品)
特級プラスチック成形技能士
大手機械メーカーにて、射出成形機の設計、新成形技術研究開発(上級主任研究員)を行った後、その技術展開のため関連会社射出成形工場に責任者として出向。成形品質および生産性向上に寄与。多くの射出成形一・二級技能士も育成。
その後、外資系自動車メーカー(担当部門はグローバル部品メーカーとしてスピンオフ)に移り、自動車樹脂部品の開発を担当。射出成形部品の成形問題を事前予測して、新規開発に展開する方法を採用することで開発期間の効率化とコストダウンを達成。欧米含むグローバル全社でシニアテクニカルフェロー5 人のうちの1 人として、アジアをはじめ、欧米、南米などの海外で金型開発、射出成形技術指導を行う。
退職後、現場のわかる技術コンサルタントとして、「技能から技術へ」をモットーに指導中。
6シグマブラックベルトでもある。
ペンネーム、有方広洋(Arikata Koyo)でも出版。

●主な著書
『攻略!「射出成形作業」技能検定試験<1・2 級>学科・実技試験』『200の図とイラストで学ぶ 現場で解決!射出成形の不良対策』『トコトンやさしいプラスチック成形の本』『射出成形加工の不良対策 第2 版』『エクセルを使ったやさしい射出成形解析』『絵とき「射出成形」基礎のきそ』『現場で役立つ射出成形作業の勘どころ』『射出成形加工のツボとコツQ&A』『射出成形大全』(いずれも日刊工業新聞社)など

<目次(一部抜粋)>
第1章 いろいろなプラスチック製品と成形方法
第2章 プラスチックと人工高分子の関係とは?
第3章 射出成形の基礎
第4章 射出成形機を知る
第5章 射出成形機と金型
第6章 射出成形技術と生産改善
第7章 射出成形品の加飾
第8章 射出成形のいろいろ

ニュースイッチオリジナル

編集部のおすすめ