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開発初期に問題を発見し、設計品質を上げる!DRBFMの考え方

おすすめ本の抜粋「事例でナットク! DRBFMによる正しい設計プロセスの実行とGD&T(公差設計と幾何公差)で問題解決」

DRBFMの考え方

DRBFM は、「新規設計や工程を従来と比較して、変更・変化点を見つけ出し、さらに変更・変化点から起きる心配点とその最適化策を見つけ出して、設計の構造を決定すること、および図面作成段階で問題を排除することで、適正品質を未然に確保する活動」であり、その活動を行うためのツールとも言える。

DRBFM は「Design Review Based on Failure Mode」の略で、日本語に訳すと一般的には「故障モードに基づいた設計審査」と表すことが多いが「故障モードに基づくデザインレビュー」とした表現を採用する。理由は「設計審査」ではなく設計者が考えた内容に対して社内の製品開発に関係する部署の製品開発責任者が、社内総力で問題発見・解決を行い製品開発を推進する活動であり、そこでできる図面は設計部署だけに責任があるわけではないと考えるからである。

DRBFM は開発の初期に問題を発見し、設計つまり図面の品質を上げる、その業務をお客様のために漏れなく行うために、製品開発に関係する部署全体(設計、評価、材料、品保、製造、品管、サービス等)が参加し、最終的に良い図面作り・製品作りを行うツールである。

DRBFMのプロセス

DRBFM のプロセスは、「1)設計情報の分析」「2)問題発見の分析」「3)問題解決の分析」「4)問題フォロー」であり、一般的な問題解決のプロセスと同じである。以下に各プロセスの内容を表記した。詳細は後にその都度必要な項目を加えながら説明する。

1)設計情報の分析
 新製品の開発や、既存製品の改良にあたっては、製品設計や製造工程の変更は付きものである。また、従来の常識を変えなければ、良い新製品は生まれない。設計に変更がなくても製品や製造に加わるストレスの変化も想定される。このような「変更・変化点に着目した問題発見」のために設計情報の準備を行う。
 変更・変化点を発見するにはまず、製品構造を上位から下位構造に、構成要素をシステム、部品、部位、材料等に分解して、機能・要求性能を分析する。

ここで、DRBFM における変更点・変化点の言葉の定義を説明する。
●変更点(変える所)
 設計状態、図面を変えようとしている所で、客先などの要望で変更する場合もこれに該当する。一般的に、設計者は現実に自分の手の内にある情報であることから、抜け・漏れなく整理し易い。
●変化点(変わってしまう所)
 設計、図面は変えていないが、その製品が異なる目的、部位で使われ、製品へのストレスが変わる可能性のある所をいう。この変化点の抽出は、上記の変更点のように100 %の現実ではないために難しいが、考えられるところはできるだけ抽出しておくことが重要である。

2)問題発見の分析
 設計構造と、それに求められる役割である機能・要求性能の変更・変化点から、どのような心配点(問題とその原因)が想定されるか、またそれらが相互に影響するかどうかを、設計要素と機能・要求性能の二元表にして問題発見を行う。問題発見ではあらゆる方向からの分析が必要なため、社内で責任分担を決め、その結果を集約し、それ以外にも心配点がないか、デザインレビューを行うことが重要となる。このプロセスで問題に気づけなければ、最後まで気づくことはできず、市場不具合に繋がる危険がある。

3)問題解決の分析
 発見した心配点に対して、製品開発の関係部署がどのような考えで対応するのか、設計良品条件(現物評価、製品を作るための公差など図面に指示すべき内容)は何か、を決める。それで問題がないか社内責任部署の立場でデザインレビューを行い、問題があれば責任部署の担当者が何をすべきか、行動に移すべき内容と実施担当者・期日を決定する。

4)問題フォロー
 活動で到達した設計良品条件、デザインレビューで決まった内容がお客様にわたる製品で実現されているか、それが作れるような工程になっているかを確認する。DRBFM の最後の活動である。

(「事例でナットク! DRBFMによる正しい設計プロセスの実行とGD&T(公差設計と幾何公差)で問題解決」p.13-15より一部抜粋改変)

<関連イベントのお知らせ>
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テーマ:DRBFMによる正しい設計プロセスの実行とGD&T(公差設計と幾何公差)で問題解決
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会場:Microsoft Teamsを使用して実施します
定員:30名
参加条件:指定の方法で、該当書籍のいずれかを新規で1冊ご購入いただいた方
申込方法:詳細についてはこちらでご確認ください https://www.planer.jp/online_seminar.html

<販売サイト>
Amazon
Rakutenブックス
日刊工業新聞ブックストア

<書籍紹介>
不具合をなくすためには事前に漏れなく問題を発見・解決し、設計意図を正しく図面に表現する必要がある。DRBFMとGD&Tを連携させることによりそれが可能となる。本書ではDRBFMの基本を紹介するとともに、DRBFMとGD&Tを連携したやり方を事例とともに解説する。
 
書名:事例でナットク! DRBFMによる正しい設計プロセスの実行とGD&T(公差設計と幾何公差)で問題解決
著者名:鷲﨑 正美、栗山 晃治 著
判型:A5判
総頁数:192頁
税込み価格:2,860円

<執筆者>
鷲﨑 正美(すさき まさみ)
MB コンサル鷲 代表
トヨタ自動車に入社し小型乗用車のボデー開発、設計に従事。その後、ボデー領域の品質監査にて未然防止活動に従事。DRBFM エキスパートA 級を取得しDRBFM エキスパートの審査員とエキスパートの育成を担当。退社後はMB コンサル鷲を運営。DRBFM、なぜなぜ分析企業研修講師。
 
栗山 晃治(くりやま こうじ)
株式会社プラーナー 代表取締役社長
3 次元公差解析ソフトをベースとした大手電機・自動車メーカーへのソフトウェア立ち上げ・サポート支援、GD&T 企業研修講師、公差設計に関する企業事例の米国での講演などにより実績を重ねる。3 次元解析ソフトを使用したGD&T 実践コンサルなど、さらなる新境地を開拓している。著書は「強いものづくりのための公差設計入門講座 今すぐ実践!公差設計」(工学研究)、「3 次元CAD から学ぶ機械設計入門」(森北出版)、「3 次元CAD による手巻きウインチの設計」(パワー社)、「機械設計2015 年5 月号 特集 グローバル時代に対応!事例でわかる公差設計の基礎知識」(日刊工業新聞社)、「設計者は図面で語れ!ケーススタディで理解する 公差設計入門」(日刊工業新聞社)、「設計者は図面で語れ!ケーススタディで理解する幾何公差入門」(日刊工業新聞社)など、多数。

<目次(一部抜粋)>
第1章 DRBFMとは
第2章 DRBFMができた理由を考える
第3章 FMEAとDRBFMの違い
第4章 DRBFMのプロセスと帳票
第5章 DRBFMと公差設計の連携が何故必要か?
第6章 ケーススタディで扱う製品と変更点
第7章 DRBFMとGD&Tの連携ケーススタディ
第8章 プロセス 1)設計情報の分析
第9章 プロセス 2)問題発見の分析
第10章 プロセス 3)問題解決の分析
第11章 問題解決の社内デザインレビューと結果のフォロー
第12章 DRBFMとGD&T連携のまとめ
第13章 DRBFMを精度よく効率的に行うためには

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