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世界進出の成功モデル…「キッコーマン米工場」50周年で茂木名誉会長が語ったこと

世界進出の成功モデル…「キッコーマン米工場」50周年で茂木名誉会長が語ったこと

地元のウィスコンシン大学に約500万ドルを寄付

キッコーマンは米国の生産子会社のキッコーマン・フーズ(米ウィスコンシン州、KFI)の完成50周年にあたり、記念式典を開催した。式典には日米の関係者約670人が集まり、茂木友三郎名誉会長は「KFIは世界進出のモデルとなってきた。今後もチャレンジに満ちた事業を展開し、成長し続ける」と述べた。キッコーマンは21年にインドに販社を設立し、ブラジルに工場を開設。米国で培ったビジネスモデルを横展開する。

KFIが立地するウィスコンシン州は、これまでのキッコーマンの同州への貢献に対し、6月9日を「Kikkoman Day」に制定した。キッコーマンは1973年に工場を完成し、出荷を開始。この工場は同州にとって、日本企業初の立地となった。キッコーマンは工場設立から米国でのしょうゆの需要掘り起こしに注力し、年々出荷量を拡大。現在では40種類以上のしょうゆ製品を製造し、出荷量は製造初年度の30倍になった。KFIはキッコーマンの工場の中で、最大の出荷量を誇る。

キッコーマンは50周年を記念し、地元のウィスコンシン大学に約500万ドルを寄付する。こうした地元への寄付のこれまでの総額は、1700万ドルに上る。記念日の制定は、ビジネスだけでなくチャリティーでも貢献を続けていることなどが評価されており、同州との良好な関係を示している。

記念式典の前に開催した「日米食品流通シンポジウム」では、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長や米大手小売りのウォルマートで広告部門のバイスプレジデントなどを務めたドミトリー・パブロフ氏らが、コロナ禍を経て変化した消費行動にどのように対応すべきかを議論した。日米の大手小売りのトップらが集まり、情報技術を生かした顧客データの活用や宅配サービスの展開などにも言及した。

茂木名誉会長は「しょうゆをグローバルスタンダードの調味料にすることを目指し、インドやアフリカなどにも挑戦している中で、食品小売業の進むべき方向性を探り、消費者の価値に貢献するか考えたい」とシンポジウムを開催した意図を述べた。キッコーマンは最初の海外生産拠点開設から50年を経てなお海外の拠点を拡大し、新興市場の需要の掘り起こしを続けている。最初にして、最大の成功事例である米国からヒントを得ながら、さらなる高みを目指す。

日刊工業新聞 2023年06月13日

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