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抹茶や柚子のようかんは世界で売れるか?木下製餡がフランス企業と商売

抹茶や柚子のようかんは世界で売れるか?木下製餡がフランス企業と商売

木下製餡のようかん。抹茶やゆずが海外で人気だという

【さいたま】木下製餡(さいたま市大宮区、木下信次社長、048・642・3953)は、売上高に占める海外輸出比率を現在の1%未満から3年後をめどに10%に引き上げる。新たに6社のフランス企業と商談が成立し、4月に出荷を始める予定。新型コロナウイルス感染拡大による対面販売減少を機に、海外輸出を新たな経営の柱に育てる。木下社長は「まず当社製品を知ってもらい、最終的に輸出を20―30%まで高められれば」としている。

木下製餡は県産品を使ったようかんなどを製造する。5年ほど前に海外進出し、香港での催事で自社製品を販売し好評を得ていたが、民主化デモの発生で撤退した。

新型コロナ感染拡大で、対面販売が困難になる中で日本貿易振興機構(ジェトロ)埼玉の後押しもあり、仏で自社製品の試験販売を実施。日本食材を扱う企業や弁当屋など6社との商談が成立した。

4月には、ようかんを数千本単位で出荷する予定で「コロナ禍が本格的な海外展開のいいきっかけになった」(木下社長)という。

今後の展開については「まず、欧州を中心に提案していきたい。当社の強みや競合の少なさ、植物原料を使ったあんの価値を理解してもらえる可能性が高い」(木下大輔専務)とみる。

同社の製品は、埼玉県川越市の芋など地元食材を用いるのが特徴。会社概要を説明した動画に、英語の字幕を付けるなど海外展開の準備を進めている。

日刊工業新聞2021年3月25日

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