1月に辞意表明も…トヨタ社長が自工会会長を続投する背景
日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は23日、辞意を表明していた会長職を2024年5月の任期まで続投すると発表した。厳しい環境下で改革をリードしてきた豊田氏に対し理事や副会長らが強く慰留を求め、それを承諾する形となった。今後は持続可能な成長を可能とする体制の構築を目指し、自工会の正副会長がチーム一丸となって課題に取り組む運営体制へと変革を進める。
豊田氏は1月に辞意を表明していたが、自工会の運営改革に関する具体的な提案を受け留任を決めた。豊田氏は23日に開いた会見で、任期満了までの約1年間を「(各自動車メーカーの)執行トップが集まり『競争と協調』を進めていくための最後の仕上げとしていく」と述べた。
片山正則副会長(いすゞ自動車社長)は「豊田氏の辞意表明を機に見えてきた自工会運営の問題点と対策について議論してきた」と説明。今後、各重点課題への取り組みは副会長が主体となって行い、会長は自動車産業に関わる550万人全体を支える立場に専念する体制とする。
豊田氏は18年に自工会会長に就任し、異例の3期目に入った。4月にトヨタ社長に就任する佐藤恒治執行役員は新たに自工会の副会長に就く。
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日刊工業新聞 2023年03月24日