トヨタの新経営陣が「販売店首脳会議」で語ったこと
トヨタ自動車は9日、東京・お台場のホテルで国内販売の考え方などを説明する「全国トヨタ販売店代表者会議」を開いた。全国の販売店首脳や豊田章男社長、佐藤恒治次期社長をはじめとするトヨタ幹部ら計約250人が参加。強固な関係を維持しつつ、電動化といった変化への対応を呼びかけた。全国規模の開催は2年ぶり。
冒頭のあいさつで豊田社長は「脱炭素化のやり方を間違うと、自動車産業そのものが根底から崩れてしまうかもしれない」とし、「危機をモビリティーカンパニーへの変革の機会としたい」と述べた。
その後登壇した友山茂樹国内販売事業本部長は「バリューチェーン収益の拡大もあり、新車依存の体質から脱却しつつある」と説明。半導体不足や長納期化の中でも盤石な経営基盤が強みになっているとの認識を示した。
新経営陣が販売店からの質問に答える機会も設けた。今後の販売店との関係性を問われた佐藤次期社長は「販売店の協力がなければビジネスが成り立たない」とする一方、「電動化でビジネスモデルも変わる。車を作って売るだけではダメだ」と、変革の必要性を訴えた。また中嶋裕樹次期副社長は「ニーズをより反映すべく、開発段階から販売店に意見を言ってほしい」と、開発方法の変化にも言及した。
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日刊工業新聞 2023年03月10日