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シャープの社長に昇格する呉柏勲CEOってどんな人?

シャープは、呉柏勲副会長兼CEO(44)が6月23日付で社長兼CEOに昇格する人事を発表した。野村勝明社長兼COO(65)は戴正呉会長(70)とともに退任する。呉副会長は4月1日付で戴会長からCEO職をすでに引き継いでいた。2016年に台湾の鴻海精密工業傘下に入ったシャープでは、再び鴻海出身の社長となる。

【略歴】呉柏勲氏 01年国立台湾科技大学大学院経営情報システム学卒業、同年鴻海精密工業入社。15年堺ディスプレイプロダクト取締役、19年シャープ常務、22年副会長兼CEO。

素顔/シャープ社長に就任する呉柏勲(ご・はくくん)氏 グローバル経験生かす

6年間、経営危機にあったシャープの業績立て直しを率いた戴正呉会長から、2021年末にCEO(最高経営責任者)交代の指令を受け「重責であるのは間違いない」と感じたという。

戴氏が後継者に求めていたのは厳しい経営環境への対応力やグローバル経験。これらを兼ね備え、白羽の矢が立った。

4月に経営戦略会見で公表した「ESG(環境・社会・企業統治)を軸とした経営やデジタルヘルスに注力する考え方は変わっていない」という。

自身は海外事業の拡大の旗振り役となり、新たに副社長に就任予定の沖津雅浩専務執行役員が主に国内事業を担当する。

台湾の家電販売店を営む家庭に生まれた。幼い頃、日本の家電ブランドに憧れを抱いた記憶も残る。原材料高騰など厳しい船出となったが、憧れの舞台でかじをとる。(大阪・大原佑美子)

日刊工業新聞2022年5月12日

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