シートベルト端材でアップサイクルに挑むトヨタ系メーカー
トートバッグ・ポーチ販売
東海理化は、廃棄する製品を再利用して価値のある製品を創造する「アップサイクルビジネス」を立ち上げる。2022年度中にシートベルト端材を活用したトートバッグやポーチの販売に乗り出す。「Think Scrap(シンク スクラップ)」の名称でオリジナルブランドを構築。協力企業も募り、ビジネスモデルを確立する。
東海理化のシートベルト端材を再利用するプロジェクトでは、横25センチ×高さ21センチメートル、重さ約427グラムのラウンドトートや横19・5センチ×高さ16・5センチメートルのラウンドポーチ、横22センチ×高さ4・5センチメートルのペンケースを取りそろえる。価格はそれぞれオープン。国内工場から出る端材を集め国内の縫製工場で製造する。
シートベルトは東海理化の主要事業の一つだが、1日につき400キロ―500キログラム、年間120トンの端材が出る。現在、端材は建材や道路の材料として再利用するが、シートベルト特有の耐久性や光沢を生かす用途を模索していた。
アップサイクル商品はドイツなど欧州が先行し、デザインと機能性を兼ね備える。東海理化では愛知県内でアップサイクルビジネスの創出を狙い、認知度や品質を高める。ラウンドトートでは、テントを手がける企業の端材や工程不良品を組み合わせるなど、他社連携も加速。EC(電子商取引)サイトだけでなく、一般消費者向けを扱う小売店での販売を目指す。
今後はシューズケースやコインケースなど製品ラインアップを拡充する。環境負荷低減を進め、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する。
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日刊工業新聞2022年4月27日