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トヨタ減産がケイレツ部品メーカーに打撃、下方修正相次ぐ

トヨタ自動車系中堅部品メーカー6社が発表した2022年3月期連結業績予想で、4社が全利益項目を下方修正した。主要顧客のトヨタが東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大による部品不足などで減産したことや、原材料価格の高騰が響く。今後トヨタは挽回生産を見込むが、不透明感は続く。

フタバ産業東海理化中央発條ファインシンターが22年3月期連結業績予想で全利益項目を下方修正した。フタバ産業は有償支給材の単価上昇、ファインシンターは油圧機器製品の受注増で売上高は上方修正したが、トヨタの減産状況などを踏まえて各利益項目は引き下げた。

原材料高も響く。東海理化は日本で樹脂と銅、北米で鋼材の高騰、中央発條は鋼材や物流費の高騰が減益要因。両社は売上高見通しも引き下げた。大豊工業は22年3月期予想を据え置いたが、アルミニウムや銅の価格高止まりをリスクとみる。

一方、愛三工業は海外での法人税負担が減り、通期見通しの当期利益を上方修正し過去最高を見込む。

トヨタは12月から挽回生産を進める模様だが「新型コロナや半導体不足は明確に収束を迎えたわけではない」(東海理化の二之夕裕美社長)とリスクは横たわる。フタバ産業の吉貴寛良社長は「下方に振れるリスクはある。ただ高水準の生産時に付いていけるよう両にらみで取り組む」と語る。21年4―9月期連結決算は6社ともに営業黒字に転換した。


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日刊工業新聞2021年10月29日

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