来訪者数で変化する。「海洋プラゴミ」を活用した壁面アートが面白い
フロンティアコンサルティング(東京都千代田区、川原邦章社長)は、海洋プラスチックゴミを活用した壁面アートの制作に乗り出した。本社受け付け周辺の壁に社員がデザイン画を描き、そのデザインに沿って来訪者に海洋プラゴミ由来の六角形のタイルを張ってもらい制作する。来訪者が増えるごとにデザインが徐々に明らかになる仕組みで、約1年かけて完成させる予定だ。ステークホルダーを含む来訪者の共感を得て、イノベーション創出などにつなげる。
海洋プラゴミのリサイクルに取り組む丹後エクスペリエンス(京都府京丹後市)から六角形のタイルを買い取り、制作する。同社は個人の有志が海洋プラゴミを回収して付加価値のあるモノをつくるオランダ発祥の活動「プレシャスプラスチック」に参加しており、フロンティアコンサルティングは「活動の趣旨に賛同して活用を決めた」(稲田晋司執行役員)という。
六角形のタイルは、鮮やかな緑や青、黄色などさまざまな色があり、来訪者に好みの色を選んでもらい、壁のデザイン画の中から、自分が選んだ色の文字が書かれた場所を探して張る。
来訪者が増えるごとにデザインが変わっていくため、「当社に来るのが楽しみになる」(同)ことを狙っている。
同社は企業のワークプレイス(働き場)構築支援やビル資産価値の再構築などを手がける。1月に東京・日本橋から同大手町に本社を移転し、新本社のコンセプトの一つに「社会とのつながり」を掲げている。受け付け周辺は「ソーシャルゾーン」と位置付け、外部の人とお茶をしたり、セミナーを開いたりできる場所を設けた。壁面アートの取り組みもこの一環で、外部との接点を増やし、イノベーションの創出や社員のソーシャルキャピタル(社会関係資本)の獲得を後押しする方針だ。
日刊工業新聞2022年3月17日