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アイシンが豊橋技科大と開発、小型乗り物用「ワイヤレス給電」の実力

アイシンが豊橋技科大と開発、小型乗り物用「ワイヤレス給電」の実力

愛知県にワイヤレス給電技術の研究成果を報告する豊橋技科大の大平孝名誉教授(中央)とアイシンの相京秀幸氏(左)。相京氏が手に持つのは小型ロボットに搭載した受電ユニット

豊橋技術科学大学やアイシンなどは、小型な乗り物向けのワイヤレス給電技術を開発した。電界結合を活用し、床に設置した厚さ15ミリメートルのパネルから送電する仕組み。2月から中部国際空港(愛知県常滑市)でパーソナルモビリティーの駐車時に自動充電する実証実験を始める。床上でいつでも充電できるため、実用化するとロボットや小型な電動モビリティーを普及させる足がかりとなりそうだ。

研究では小型ロボットに受電ユニットを載せ、1メートル四方の範囲で走行中に100ワット給電した。送電側と受電側に電極を対面させる「電界結合」を使用する。

送電パネルには幅50ミリメートルの電極を複数個埋め込んだため、全方向に給電可能。電気を供給する高周波インバーターは窒化ガリウム(GaN)を用いた。

今後は受電ユニットの軽量・小型化が課題となる。事業化に至れば、バッテリーを必要とする乗り物・ロボットが常時稼働できるようになるという。

研究は愛知県が主催する「知の拠点あいち重点研究プロジェクト」として実施した。

日刊工業新聞2022年2月9日

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