【決算一覧】デンソーは?アイシンは?資材高騰と半導体不足がトヨタグループ7社の業績に冷や水

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豊田章男社長

鉄鋼や樹脂など幅広い分野で起きている資材高騰や半導体不足が、好調に推移してきたトヨタ自動車グループ7社の業績に冷や水を浴びせる。コロナ禍からの自動車生産の回復で2021年4―9月期は全社が前年同期比で大幅な増収増益を達成したが、勢いをそがれ22年3月期通期見通しは、豊田合成と愛知製鋼を除く5社が従来予想を据え置いた。各社は業務の効率化や原価低減に一段と力を入れる。

デンソーは、資材高騰が営業利益ベースで年360億円ほどの減少要因になる。顧客のトヨタ自動車などの完成車メーカーの減産も響く。ただ松井靖経営役員は「元々織り込んでいた年900億円程度の下振れリスクの中に収まるだろう」と話し、通期予想は据え置いた。

アイシンは「半導体は11月以降ある程度落ち着くと思うが、材料は一定程度上がる予想」(伊藤慎太郎副社長)で、企業体質改善をさらに進める。豊田自動織機も見通しは据え置くが、営業利益ベースで資材高騰の影響を114億円増の年370億円とした。

ジェイテクトも鋼材価格や物流費の高騰が利益の圧迫要因となる。トヨタ紡織は鋼材や樹脂材を中心に年間計画に対して90億円強の費用増を見込む。

豊田合成は8月以降の急激な自動車の減産と、資材高騰、労務費負担増が想定以上で売上高を4月予想比100億円減の8300億円に、当期利益を同30億円減の270億円に下方修正した。

愛知製鋼は販売増により売上高見通しを7月予想比50億円増の2620億円に上方修正したが「コストアップのインパクトは大きい。価格引き上げが追いつかない」(藤岡高広社長)として、利益予想は据え置く。

一方で各社は12月以降に予想される車メーカーの高水準な生産計画に備え、要員確保や在庫の積み増しに着手する。この挽回生産の状況が、今後の業績を左右しそうだ。

日刊工業新聞2021年11月1日

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