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PCR検査需要の拡大に備える。精工技研が樹脂チップを量産

精工技研はPCR検査に使用する樹脂製検査チップ(写真)を量産する。年内にも第4工場(千葉県松戸市)でスタートし、2024年3月末までに数十万枚規模に引き上げる。PCR検査が新型コロナウイルス感染症以外の検査へも活用が進むと予測し、今後の需要拡大に対応する。

第4工場は松飛台工業団地(同)に位置しており、検査チップの量産ラインはクリーンルーム内に設ける。数千万円を投じ、樹脂成形からフィルム接合までを自動化できる設備を導入する。3万枚から始め、順次、設備を増強する。

チップ上には試薬と反応させた粘液などの検体が流れる流路が形成してある。最小溝サイズで幅と深さともに10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の流路を形成できる。

これまで検査チップは試作段階だったが、量産に切り替え、医療機器やバイオ関連メーカーなどをターゲットに市場を開拓する。海外展開も検討している。

精工技研は微細加工と金型技術を融合し、光ディスクなどの樹脂に微細な凹凸を形成できる技術を持つ。今後は金型に加え、成形品自体も供給することで事業を拡大する。

日刊工業新聞2021年12月3日

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