コロナを1時間で高感度検出するキットを開発。陰性の正しさは100%!
大阪母子医療センター研究所免疫部門の柳原格部長らは、新型コロナウイルスのリボ核酸(RNA)を1時間以内に高感度で検出するキットを開発した。京都大学大学院農学研究科の保川清教授、関西学院大学生命環境学部の藤原伸介教授、阪大微生物病研究会の鈴木孝一朗主査らとの共同研究。陽性を判定する感度は99・44%、陰性の正しさを示す特異度は100%を達成。遺伝子変異や新たな感染症にも対応できる。
RNAからデオキシリボ核酸(DNA)を合成する耐熱性の逆転写酵素と、DNAを合成する別の酵素のDNAポリメラーゼを組み合わせた。1段階の操作で、新型コロナRNAの5分子を1時間以内に検出できる。逆転写酵素を使うと複数の遺伝子を検出しやすいが、従来は2段階の操作が必要で、汚染リスクも高かった。
薬事承認を得ていないため保険適応のPCR検査には使えない。緊急時の研究用に大阪府立病院機構に数万回分を常備する。
日刊工業新聞2021年6月7日