鹿島・清水建設・竹中工務店など16社連携で施工ロボ開発。解決したい喫緊の問題
鹿島、清水建設、竹中工務店など建設16社は、建設施工ロボット・IoT(モノのインターネット)分野の技術連携に関する共同事業体「建設RXコンソーシアム」を設立することで合意した。量産化によるロボット開発・生産・運用コストの削減や協力会社作業員の負担軽減を推進し、建設業界全体の生産性と魅力向上を強力に推進するのが狙い。建築分野を中心とした組織での立ち上げとなったが、今後は土木分野も含めた組織強化を図る。
新設の共同事業体には、鹿島、清水建設、竹中工務店の3社を幹事とし準大手・中堅13社が会員企業として参画した。幹事3社はこれまで共同事業体と同様の趣旨で建設技術連携を進めているが、今後は事業共同体に一本化する予定。同日、設立総会が開催され、会長には伊藤仁鹿島専務執行役員、副会長には印藤正裕清水建設専務執行役員と中嶋啓吾竹中工務店副社長が就任した。10月に事務局と運営委員会を設立する予定。オンライン会見で伊藤会長は、「参加企業の増加で技術力が強化され、ロボットの生産台数や使用台数が増えることでコストも下がる。今後も賛同する企業は業種に問わず参加ほしい」と述べた。
ロボット、IoTアプリケーション(応用ソフト)などの開発は、テーマごとに設置する複数社の技術担当者らが参加する分科会で行う。ロボット開発の中心は、各社が独自の強みを持つ高品質なロボット開発ではなく、搬送や清掃など作業員の負担を軽減する「苦渋な作業」「高所作業」「繰り返しの作業」などの汎用ロボットが中心となる。
建設業は担い手となる若手の入職が不足しており、2024年4月には「時間外労働の上限規制」の適用も始まる。長時間労働の是正など就労者のワークライフバランス向上や、賃金・処遇の改善、生産性の向上などが課題になっている。伊藤会長は「喫緊の問題を解決し、建設業界の魅力を高めていきたい」と述べた。
【関連記事】 建機メーカーが大注目する異色のレンタル会社