上空500メートルの気象環境を再現。清水建設が世界最高性能の装置を整備する狙い

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カーテンウオールを設置する鉄骨躯体(完成予想イメージ)

清水建設は超高層ビル向け外装カーテンウオールの実大性能試験装置の整備に着手した。整備するのは最大で上空500メートル周辺の過酷な気象環境を再現した世界最高性能の装置。試験により品質の適正化とコストダウン、二酸化炭素(CO2)排出削減を目指し、国内外で計画されている超高層ビル案件の受注獲得につなげる。

試験装置は千葉県市原市に確保した敷地面積約3000平方メートルを整備し、9月下旬にも完成する。2層(階)分、9メートル角の実大カーテンウオールを設置する鉄骨躯体、カーテンウオール全面に風圧をかける圧力箱、圧力箱内の圧力を調整する大型送風機2台とその格納庫、制御室、鉄骨躯体用走行レールで構成する。性能試験時は、鉄骨躯体と圧力箱を密着させることで、圧力箱内部の圧力がカーテンウオール全面に作用する仕組み。

試験で再現する風圧は、加圧か減圧の場合が風速毎秒約189メートル相当の風圧プラスマイナス2万パスカル、加圧と減圧を繰り返す場合が10―12秒の周期で風速毎秒約164メートル相当のプラスマイナス1万5000パスカルで、上空450―500メートルの風環境に相当する。加・減圧にあわせて圧力箱内の設備からはカーテンウオール1平方メートル当たり毎分8リットルを散水し、上空の過酷な気象条件を再現する。

鉄骨躯体の中間層の床躯体を水平方向にスライドし、地震や強風時に発生する超超高層の層間変形を再現し、カーテンウオールの変形追従性能も確認する。これにより、カーテンウオールを構成するガラスやアルミニウム製フレーム、ガスケット(ゴム製止水部材)、シーリング材、固定用の金具(ファスナー)やレールなどの部材に要求される性能を検証する。

将来は蓄積する試験データを使い、性能試験をデジタル化する。

日刊工業新聞2021年9月13日

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